人生最期に見る夢は.....
介護の仕事をしていると、よく誰かの人生の最期に携わることになる。
あまり良いものとはいえないし、亡くなられた方の家族と上司が話しているのを見ていると、いつか自分にも来るんだろうなと朧げに思えてしまう。
両親といつか会えなくなるなんて、正直考えたくも無い。
中1の頃、自分がいつか死ぬことを実感してからというもの、未来のことを考えることが怖くなった。
現実なんて見たくもなくて、将来なんてどうでもよくなってしまった。
そのまま、大人になって、20代も半ばを迎えている。
もう、気付けば社会人を5年経験している。
良い大人になってしまった。
子供の頃に夢見た大人とは程遠い。
大学も中退して、低賃金の為、実家暮らしを余儀なくされている。
こんなはずではなかった。
まだ、まだ、終われない。
このまま、死ぬなんて、まっぴらごめんだ。
まだ、何も成してない。
まだ、何も残せていない。
まだ、死ねない。
まだ、夢は夢のままだ。
夢を現実にするまでは、まだ終われない。
でも、きっと、どれだけ夢を叶えようと、夢が終わることはないのだろうと思う。
人は願望の生き物だと思っている。
常に理想を脳に携えている。
きっと、死ぬまで、ずっと。
最後を迎える、その時まで。
その時は、今とは違う夢を見ていたい。
僕の夢は、まだ途中。
人生最期に、僕はどんな夢を見るのだろうか。
走り続けるだけだ。
夢見る少年じゃ、もうないからね。