あめいろの脱・徒然日記

今日という1日に彩りを

理想と現実

何かに熱中するとき

本気になれば本気になるほど

実は自分がそれほど好きではないことに気付かされたりする。

 

僕の場合は漫画だ。

 

キャラの掛け合いを描くのは好きだし

主人公が色んな奴と出会って成長していくのを見るのは楽しいし

自分もそんな人生を歩みたいし応援したいと思う。

 

でも僕は知っていた。

 

 

"自分が凡人であることを"

 

 

どこまでいっても

自分が憧れるものにはなれない。

 

困っている人に笑って手を差し伸べられるような、そんな思いやりと綺麗事で出来た"ヒーロー"みたいな奴には、きっと自分はなれない。

 

いつだって

打算的で小狡くて

他者からの評価を一番最初に考えているから。

 

それもきっと

ある種の才能なのだと思う。

 

でもそれは

僕が本当に欲しかった才能とは違うのだろう。

 

幼少期から憧れたヒーローのような人間に

自分はなりたかった。

 

いつだって

誰かの心に寄り添い支える

 

それこそ

つっかえ棒のような人間に

 

僕はなりたかった。

 

 

でも

 

僕の心は

 

そうではなかった。

 

もっと

自分勝手で

臆病で

自分の為にしか生きられない

そんな半端な心しか持ち合わせていなかった

 

友達を裏切ったことも

友達をすべて失ったことも

勉強を途中で投げ出したことも

バスケから逃げたことも

大学を辞めたことも 

カモられて借金背負ったことも

 

すべては自分が招いた

"必然"だった。

 

すべて繋がっていた。

どこか否定していた。

 

学生時代成績の良かった自分を

どこかまだ信じていた。

 

そんなもの

何の努力の証明になるわけでもないのに。

 

誰かのために

最後までやりきって

初めて他人から必要とされる筈なのに

 

自分は

いつも自分の為に

途中で逃げていたのだ。

 

程のいい理由を並べて。

 

それが現実だ。

きっと、この現実と向き合わない限り

僕の人生は変わらない。

 

逃げたこと後悔して

もっかい大学行こうとしても

 

昔の友の夢を後悔して

漫画描こうと

 

きっと結果が変わるわけじゃない。

自分が一番自分を知っているのだ。

 

ずっと見てこなかっただけだ。

チャンスはあったのに。

 

何度も手は差し伸べられていたのに。

 

僕は手を握ってこなかった。

 

ふと思う。

 

スケットダンスでボッスンの手を握った

スイッチは本当に凄かったのだと。

 

自分が本当に勇気を出して

乗り越えたからこそ

きっと他人に優しくなれる。

 

何かを成せるのだ。

 

僕の周りには

漫画の天才やモノマネの天才やイラストの天才がいる

 

3人ともすごい才能があるのに

それを仕事にしようとはしない

 

理由は

「本当に好きなことだから

仕事にすることで嫌いになりたくない」

 

と3人とも話していた。

 

僕にはずっと理解できなかった。

 

でも、今はどこか分かる。

 

 

あー、自分ってそこまで漫画好きじゃなかったのかもな。

 

そんなことを思う。

 

ただお金が欲しかったし

有名にもなりたかった

 

自分の才能を知らしめたかった

 

そして

自分の気持ちをどこか

認めて欲しかった

 

 

そんな欲にまみれた想いしか

僕は持ち合わせてなかった

 

そんな人間が大成できるはずもない

 

この資本主義社会で成功するのは

人徳がある人だから

 

多くの人の為に行動できる人が

"地位"も"仲間"も"富"も得る

 

 

僕はそうではない。

 

自分の好きなことで

お金を取ることも

厭わないほどに

 

僕の心は

元々キレイではなかった

 

それは幼少期の家庭環境のせいなのかもしれないけど、それこそ、ただの言い訳だ。

 

だって、僕は物心ついたときから知っていたから。

 

自分は卑怯だって。

 

目を背けていただけだった。

 

色んな人に言われたのに

現実から目を背けていた。

 

ただ、それだけのことだった。

 

もうコレを最後にしよう。

 

仮にもし、これが物語だとしたら

一体どんな結末に辿り着くのだろうか。

 

 

 

自分が卑怯だと知っていた少年は

ヒーローに憧れた。

 

ヒーローになる為

少年はたくさんの努力を積み重ねた。

 

でも勉強も部活も友達付き合いも

結局どれからも逃げて

最終的に一人ぼっちになってしまった。

 

一人ぼっちになった少年は

もう一度ヒーローを目指そうと

福祉の仕事に就き

そして友の夢を追いかけた

 

でも、その想いですら実は打算で

そこに他者への愛は無かった。

 

それが少年の

いや青年の心だった。

 

他愛のないことだ。

本当に。

 

愛などなくとも生きていける。

テキトーな大学へ行き

そこそこの会社に入って

それなりに家庭を築いて

それなりに友人を作って

それなりの人生を歩めば良い

 

きっと、それでも幾らかは幸せだ。

やりたいことなんてないのだ。

 

自分しか見て来なかったから。

 

どこにも希望はない。

あるのはエゴの塊だけだ。

 

ただ、そんな少年にも

愛してくれる人はいた。

 

それは大人になってから出会った仲間であり

小学生のときに夢を語り合った親友であり

会社の同僚であり、家族であり、

そして彼女だった。

 

もがき続けた先に

気付けば"愛"に出会っていた。

 

この"愛"からだけは

逃げてはならない

 

そして、少年は、

いや大人になった青年は彼らに言っていた。

 

「漫画家になる」

 

と。

 

好きかどうか本気かどうか

才能があるかどうか

凡人であるかどうか

 

そんなことは何の関係もない。

なると自分が言った。

自分みたいな卑怯な奴を

応援してくれる人がいる。

 

頑張る理由は

それだけで良かったのだ。

 

 

"ただ

キミの為に"

 

 

 

 

物語としては、

きっと、そのことに気付いた青年が

また歩き始めるところで終わるのだろう

 

成功するかどうかは分からない

 

でも歩き続けるしかないのだ。

 

少し肌寒くなった

9月の真夜中

 

 

"漫画を描こう"

 

 

今日も僕は

ペンを握り白紙のノートに向き合う。

 

 

 

完(?)

 

(いやストキンの元ネタこれで良いな!💦

これ使おう、うん💧)